10、②、フクロウのツーメ [人形カタログ]
これが固まったしまったツーメです。
目はぱっちりとあいたままなのですが、ぜんぜん動けません。
でも、スイスイがお掃除を終わり、帰ってくるとツーメの身体は光輝き、一日、一日と宝石に変わって行ったのです。
スイスイがあちこちお掃除して帰ってくると、そのぶん、ツーメの身体はきれいに光ってくるようなのです。
ツーメに思いを聞こうと思っても、身動き一つとれないので、もうどうしようもありませんが、きっとツーメはこの世の中がすみずみまできれいになればいい、と思っているに違いありません。その思いの分だけ、ツーメの身体は輝くようになったのしょう。
今日もお掃除仕事を終えたスイスイはツーメの所に帰って来て、動かなくなったツーメの横にそっと横たわっています。
長い夜の間にツーメの思いはまたスイスイに引き継がれ、そうやって毎日が過ぎて行くのでしょう。
10のお話はこれで終わりです。
前回、①をアップして…。続きをアップするのをすっかり忘れていました。 どうもすみません。
10、①、ほうきのスイスイ [人形カタログ]
このほうきは、フクロウのツーメのものでした。
ツーメは掃除が大好きだったので、いつもこのほうきを使ってお掃除していたのです。
スイスイと調子良く、スイスイ掃除が進んで行くので、ほうきにはスイスイという名前が付けられました。
そうやってずうっと楽しくツーメは毎日お掃除して行けるのだと信じていました。
ところがある日、ツーメの身体が固まってしまい、お掃除できなくなってしまいました。
それはなぜなのか、わかりませんでしたが、何かの呪いがかかってしまったようでした。
ツーメが望んでも、身体が動かないのでどうしようもありません。
でもそのツーメの気持ちが乗り移って、スイスイは自分で掃除ができるようになったのです。
スイスイは魔法のほうきになりました。
動けなかったスイスイが自由に動けるようになったというのに、ツーメの身体は固まったままでした。
スイスイはまるでツーメの願いをかなえるかのように、毎日毎日お掃除に出かけ、一日の掃除仕事が終わるとツーメの元へと帰って行くのでした。
②に続きます。