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080 感傷 [ポケログQ]

そこがどこだかわかる
足元の感触を思い出せる
少し歩いた先に焼き芋の屋台が出ていて
ときどき人がいて芋を焼いている

その場所に立っていることを最大限思い出し
ぐるりと360度をゆっくり回ってみる
向こうからやってくる人が見える
だんだん近づいてくる
知っている人だ
当然そこで会うはずというふうに
右手を挙げて
「や」と言って
なんでもないというふうに北に歩いて行く
とても追いつけないスピードで
思わず笑ってしまう

公園に入ろう
渡り鳥のカモが来ているはずだ
そこここに家族が集い
こどもが走り
のどかという雰囲気が中空に漂っている

なぜその場所を離れたのか
それは思い出せない
何かの流れに乗って今の場所にいる
もどりたいのか?
わからない
もどれないのか?
このままでは戻れない
ただただ切ない思いが募る
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078 放屁 [ポケログQ]

自分の中にたまっていく空気は
いろいろな形で吐き出される
下の方からでる空気は
例のあれだよ
ちょっと恥ずかしく放たれるもの

それには臭いもなく
形もなく
音だけがあって
やけに主張してくる

この空気はいったい誰がためたのか
ためた覚えはないのにたまっているのだ

この世界のだれもが発する空気でも
この世界は満たされはしない
それはどこに行ったのかわからず
発せられたとたんに無となる

このものの存在は証明されたのか?
証明されなくても誰もが経験することなので
それは言葉として存在している
共通の経験として
言葉ですべての人が実感する
お化けでも幽霊でもなく
実存しないのに存在は認められている

お化けでも幽霊でもなく
怖がられもせず恐れられもせず
ただ恥ずかしい
なんで??
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078 マルノーム [ポケログQ]

マルノームの砦に行ったことがあるよ
そこにはマルノームがうじゃうじゃいて
マルノームじゃない人は厳しく検査されて
ほとんど中には入れてくれないんだけど
僕は外見がほとんどマルノームだったのではいれたんだよね

そこで
僕はマルノームになることにした
砦の入口はピリピリしていて皆気を張っているからね
僕はマルノームのために特上のグルメを用意しようと思った

だけど
マルノームは結局
ほかのポケモンと同じように
変な木の実しか食べないってわけ
この木の実を調理してもね
木の実の形が失われてしまうから食べないってわけ

どんなに僕が精魂込めたとしても
マルノームにはそれは通じない

僕は外見だけがマルノームなわけで
実はマルノームじゃないからね
グルメなんだよね

せっかっく調理の腕を磨いたので
マルノームの砦を出て丸の内でレストランを開くことにした

今、新丸ビルの5階に僕の店がある
探してみて

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077 ガバイト [ポケログQ]

ガバイトはたくらんでいた
相手が油断する瞬間を
だけどちっとも相手が油断しないから
たくらみ続けるしかなかった

結局ガバイトは次の行動に移ることはなく
ずっとたくらみ続けてたってわけ
油断しなかった相手は
実は油断もして温泉にも行ったりしていたらしいのだけど
その時ガバイトは
自分のたくらみの芸術性にうなり
浸り
しみじみと味わいすぎて
相手のこと忘れちゃっていたってわけ

ガバイトにとっては
たくらんでいる間が至福だったんだね
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076 やけど [ポケログQ]

足の上に熱湯をぶちまけてしまい
七つの水ぶくれができた
模様のように三つずつ並び
真ん中の水ぶくれが大きくて
まだ痛い

六つはなんとか痛くなくなり
あとひとつの痛みが残っている

なんということだろう
熱湯とは恐ろしいものだ

なんとうことだろう
身体とは阻害されるものだ

日々何かの危険に晒されていることを実感する
熱湯と出会い
熱湯をこぼさねばならず
その時にドジって
足にぶちまけた瞬間
身体の一部は日常の機能を失い
皮膚の中まで浸食してきて
痛みという形で警告を発した
一週間になるかな
痛みが去っても何らかの跡が残るだろう
足の甲に水ぶくれの跡が模様になるのだ
それらはだんだん薄れていき
痛みは遠のいていく

やけどしたことも忘れていくのだ
少しずつ自分が消滅していくひとつの過程として
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075 怒 [ポケログQ]

彼は怒っていた
すごい剣幕で
身体の中に起こる怒りを
すべて発散しようとしていた

怒りは確かに
人を動かすエネルギーのひとつではある
怒りは確かに
鎮めるのが難しいことがある
その怒りはどこからくるのか

彼の身体から湯気のように上がる怒りの蒸気を
何か別のエネルギーに変換できたらいいのに
それを切り替える方法が見つけられたらいいのに

怒りはただ無駄に空気中に発散され
それは他の人を脅かしていた
その光景が記憶に焼き付き置き換えられずにいる

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074 消滅 [ポケログQ]

消滅していく
なにもかも
それがほんとうの今なのに
幻の中で呆然としている

すごい人の数だ
この人たち全部が消滅していくのだ
誰も知らない
これからも知らないまま
すべてが消滅していく

今歩いた道も
この先歩く道も
たどり着いた場所も
会った人びとも

机も
ろうかも
生きている空間すべて
消滅するために存在している今を見ている

物に触れ
確かめられるうちに
愛でよう
慈しもう
自分と砂との違いを
しみじみと思おう
消滅するまで
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073 困惑 [ポケログQ]

困っちゃってます
次にどうしたらいいのかわからなくて…。

まあ、どうにかしなくちゃならないから
どうにかはするんだろうけど…。

今、まず何をするかがわからないから
ただ漂ってます

何かが動いたり
何かが聞こえたり
誰かが教えてくれたり
肩をたたいてくれたり
何か自分ではないものの動きさえあれば
たぶん次の一手は決まるのだろうとは思うけれど

それだったら
何も動くことはなく
何も聞こえることもなく
誰も教えてくれず
肩もたたいてくれなかったら
ずっと漂っていることになるのか
ほんとに困っちゃった
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072 立ち止まる [ポケログQ]

たちどまることを考える
人の邪魔にならなくて
幹線道路からちょこっと入った所
草がはえていた方がいいかな
あまり石がゴロゴロしていないで
乾いた砂で歩きにくくても困る
砂地獄だともっと困る

あまり心地良くもなく
だからといって心地悪くもなく
隙間というのか
空間というのか
道ではなく
場所というほどおおげさでもない所

憩いなんてなくたっていい
ちょっと車が避けられれば

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071 救い [ポケログQ]

なにかほんわか笑いをさそってくれるもの
ふわふわもふもふ暖かいもの
なにげなく気を軽くしてくれるもの
ちょっと行く先を明るく照らしてくれるもの
なんでもないよと言葉ではなく教えてくれるもの
ふっと息をつける瞬間
ありがとう

息が詰まって
身体が固まって
どんどん重くなって
地球の中心まで沈むところだった
助かったよ

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