090 ティータイム

ちょうど今休んでいたところ
一緒にお茶を飲みませんか？
ティーポットに入ったお茶はまだ飲み頃の温かさだよ

唐草模様の陶器にはお菓子が入っている
ふたを開けてみて
思ったものと同じお菓子が入っていた？

ココナッツの味がしんみりと広がるフィナンシェ
チョコレートとバニラが市松模様になっているサクサクのアイスボックス
口が甘くなったら柿ピー食べてみて

そうやってただ話すでもなく
同じ時間に息をしているだけで
落ち着く感じ
それを目指しています

089 見えているもの

今見えるその風景を
いつまでも心に残しておくようにと
じっと
じっと
じっと見つめる

時が止まってしまったかのように
じっと
じっと
じっと息をひそめる

心に残っているものとはいったい何なのか？
それはある映像として思い出せても
それを再現できないし
人に伝えようとした場合
そのまま伝えられるわけがない

それでも残しておきたいという
その気持ちだけがある
残せないのに

088 煙に巻く

返事に困ったら
煙に巻こう
それをばれないようにするにはコツが必要だ
まず注意を逸らす
いきなり両手を広げるとか
話に関係ない動作で
相手の視界ではとらえきれない範囲に物を動かす
これはなかなか使えるのではないかな

実際に煙を焚くことなんかできないから
それに代わる方法を見つけるのだ
マジックを行う準備ができていない時に
急にマジックを始めるような感じかな

相手の中でその話が重要だった場合
何度も話は戻され
結局煙には巻けないかもしれない
煙に巻くという行為が不誠実と思われて
それで相手との関係が崩壊するかもしれない
それに
これを試すことによｔって
自分と相手との力関係やらが露呈するかもだな
本当に煙の中にドロンと消えてしまえるのならいいけど

まあ試してみて

087 ジバコイル考

ぶ～ん
ぶ～ん

頭に詰まっていることを
言葉にしようとすると
すごくいいよ

身体が宙に浮くくらいすばらしいこと
誰かに通じなくても
何かに記しておけば
自分でなら確認できて
自分に通じればそれでいいよ

なんとか人と通じる言葉もあれば
もっといいよ
そんなにたくさんの人じゃなくても
なんとかつながっている人と
そのままつながっていられるのなら
それは宝

だから大事にするね

086 続TCAMY帝国

続TCAMY帝国

敵とは思っていない
だってきゃむ軍団はすごくフレンドリーで優しかったから
敵なんて発想は生まれなかった

だけどそれだからいろいろなことに気がつけなかった
まず
無視力がはんぱない
っきゃみぃ帝国は閉じた帝国であり
わたしはYとつながっていたためにかろうじて右足が入っていただけだった
これに何十年も気が付かなかったんです

っきゃみぃ帝国は鋼鉄の精神で守られている
そこに私が入る余地はなく
しかも帝国内には新たに守られる命も増えているので
帝国外のことなんかどうでもいいわけ
誰だってそうだよね

排除されてみて改めて気づいても遅いんだよ
というか、っきゃみぃ帝国民には『排除した』という認識もないと思われる
てなわけで
わたしはとにかくっきゃみぃ帝国外で生きているよ
戻ろうかと思った時期もあったけど
それは無いなとやっとわかった

っきゃみい帝国外での物語をつづろう
でないと頭が死んでしまう

しかも外にも幸せは溢れていて
惜しみなく溢れ続けている
それをくみ上げ
浴びて
幸せな毎日を生きた方がいい
残るものは感謝しかない

085 TCAMY帝国秘話

Tって人が『N血』って場所にいたんだよ
そのＴにはC　A　M　Yっていう子供がいて
私はその末のYって人と一緒にN住んでいました

細かい説明をするのが面倒になってしまうが…
とにかくYはC　A　Mに置き去りにされ
てか
C　A　Mの眼中には入っていなかった
てか
別の次元でくくられていたらしい

ＴはCAM（きゃむ軍団と命名決定）に連れ去られ
Yはひとり血Ｎに取り残されたわけ
私はそれまでになんどもYに血Ｎを出たいと言っていました
が
Yは『Tがいるから離れられない』と答えていたんですよね
Tがいなくなったんだから血Nを出ましょう
と提案しても
Yはなすすべもなく血Nに居るようだったよ。

この時点で私はYと居てもしょうがないんだ
と気が付いたわけ

Tときゃむ軍団とYはTCAMY（っきゃみぃ）帝国に属していたんですが
Yは微妙な立ち位置で
きゃむ軍団が新たな帝国を『土K』に築いたため
たぶん、それが原因でどんどんYの身体はふくらんでしまい
とにかく命尽きてしまいました。
今思うに、見えないライフラインがつながっていたのに
Tとの距離が離れたことでＹへの魂補給が途絶えてしまったのでしょう。

数年かかって
私は『っきゃみぃ帝国』のヒエラルキー外だったのだ！
と気が付いた。
それはつまりいてもいなくても同じってことです。

まあ結果的には良かったけれど
この帝国と関わったおかげで人生どん底だよ。
でもよかったんだから納得しようと思ってます。

084 連絡

連絡を待っていたのだが
連絡は一向に来ないのだ
あの人から連絡をすると言ったのに
いったい何をしているのだろう

こちらから連絡するべきだろうか
なんのために？
もしこのまま連絡がこなかったら
そのままでいいのではなかろうか

自分の中からこの約束を消去しよう
気になるけれど考えないようにしよう
だって、きっとあの人の中では消えていることだから
だから来ないんだよ
消すことが簡単な人はうらやましい
こっちは消せなくていつまでも待ってしまう

まあいいや
ほかにやることを探して
この約束を埋もれさせていこう

083 おなやみ

悩みがあるのならなんでも聞くよ
どんな悩みでもお話ください

悩み過ぎて言葉にならないのなら
言葉にする作業もお手伝いしましょう
どうしても何か一言は発してもらわないとなりません
文字に書いていただいてもけっこうです
絵に描いていただいてもけっこうです

何かとにかく発してください
それからひも解いていきましょう

082 息をためる

息を飲むとお腹にたまる
息だけ飲んでお腹にためる
息は吐きださずにどんどんためていく
それは何にもならず
ただただ身体がふくらんでいく

もう息が入らなくなって
息を吸い込むことさえできなくなって
苦しくて
苦しくて
でも吐き出さず
吸い込む作業をしながら気が遠くなる

遠くなっていく世界を感じていると
きっと苦しみはなくなる
どこにも何も吐き出さず
自分の中にためるだけで人生はおわる
それでいい

081 十字路

ばったり会った十字路で
あなたは正面から来て右に曲がり
私は反対から来て右に曲がる
つまり二人は違う方向へ向かう

ばったり会った十字路で
目が合い、息を感じ、歩みが止まり
数秒の会釈の間に
あなたと重ねた手のことを思い出す

ばったり会った十字路で
なにもなかったようにあなたは行ってしまう
振り返りはしない
背中なんか見てもどうしようもない

余韻が残る
余韻は足元に下りて行き
一歩一歩に流れつき
歩くたびに薄くなっていく

十字路という場所で
何通りもある行き先で
ピンポイントで知っている人に会うというのは
奇跡